へその死相



8月にわごいちにやってきたクローン病の男性のその後。(以前の経過記事↓)







おなかは色々なことを語る。人は口だけではなくおなかでも語る。いやむしろ口はしばしば嘘をつくが、おなかは嘘をつかない。だから私はおなかに触れる。

時におなかは怖いことを語ることがある。開けてしまったことを後悔するような真実を見せることがある。その最たるものがへその死相ではないかと私は思っている。


へその死相。

そんなことをいう人間が他に居るのかどうかは私は知らない。でも私はそれがあることを知っている。

これまで幾つかのおなかが私にへその死相をみせた。他の人にはわからないが、おなかをずっと揉んできた私にはわかる相である。これを見せられた時は絶望の淵に立たされ、そこから勇気を振り絞ることを求められる。


このクローン病の男性のおなかも当初、へその死相を見せた。とりわけ酷いクローン病の病状だった。

これまで触れてきたクローン病のおなかは全て治っていったけれども、そこにはへその死相がなかった。末期癌とかよほどでないと出ないへその死相がこのおなかには出ていた。

「正直治るという約束はできない。それでも私を信じて毎週通って生活改善を頑張るというのなら、一緒に頑張ってみますか。半年頑張っておなかに力がでてくれば治っていくかもしれない。」

勇気を振り絞って私はそのおなかの主に伝えた。




クローン病のおなかは独特の触り感がある。

おなかは肚と書くこともあるが、普通のおなかがフカフカの土だとしたら、クローン病のおなかは粘土質なお腹になっている。お百姓さんでも粘土質をフカフカの土壌に替えることは相当な年月と労苦が要ると思うが、それを手で揉み行うのがわごいちの山水。私の施術。



彼自信も食事制限には苦しみながらも頑張り続け、四股踏みや丹足にも励み、4ヶ月が経過した。そして昨日が年内最後の施術。

「もう命の危機は脱したね。これから通院を2週間に空けて行きましょう。」

予定より2か月前倒しで、こう言うことが出来た。もちろんへその死相はもう見えない。



へその死相を克服したのは2例目。1例目は弟子である紙鳶のおなか。そして今回。それ以外は、申し訳ないことに力が及ばなかった。

紙鳶は半ば身内として年月をかけて克服出来たと思うが、今回のような酷いクローン病を通院で克服できたことはまた一歩大きな前進が出来たと思う。



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お歳暮に地元特産のワタリガニをいただいた。

色々あった一年だが、年末に嬉しいご褒美をいただいた気分。


それもこれもわごいちを一心に信じて食事改善に取り組み、四股を踏み、階段一段飛ばしをし、木刀を振り、丹足稽古にも参加して生きようとするこのおなかの持ち主の強さのお陰であると思う。

彼は命を拾い、私は確信を得た。



これを来年にどう活かすか。

勝負は続くよいつまでも。







三宅弘晃

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by wagoichi | 2017-12-19 16:15 | 仕事