乗り越えて仲間になる


船場(ほぼ大阪の本町駅界隈)に「白樺」という老舗の喫茶店がある。私は気持ちが昂る時、この白樺のお母さんの笑顔で自分をなだめる習慣を持つ。

白樺のお母さんは、船場で生まれ、船場で育ち、船場で喫茶を生業としてきた。文字通り船場の生き字引と言える人。

「昭和45年にセンタービルが出来た頃くらいはホントに活気があって、朝はいつも馴染みの商売人の男の人たちがコーヒー飲みながら喧々諤々とやってましてね、いい時代でしたよ。」

そんなお話を聞きながら、極上のネルドリップの珈琲をいただく。





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そんな商人の集う「白樺」が、全面禁煙に踏み切った時は驚いた。何しろ煙草吸いのおっちゃん達の聖地ともいえる店であったのだから。よく思いきられましたね、と言うと、

「まあ覚悟はしてましたけど、随分お客さんは減りました。でもそれでも来てくださって、タバコ吸いたいときだけ隣のたばこ店に移動してくださるお客さんも居たり、喜んでくださるノンスモーカーのお客さんも居たりで、思い切って決断してよかったなと思っています。」

とコロコロと笑われる。

「同時に思い切って空調も新しいのにしたんです。そしたら店の空気がいっぺんに良くなって、気持ちいいんですよ。」

とまたコロコロ。

傍目には和やかであるが、この立地でこの客層での決断は相当な覚悟が要ったはず。この怖さは自営業をしてみないとわからないだろう。

「お母さんは、いわゆるファーストペンギンですな。」

と言うと、

「私のところが4月1日から禁煙を始めました。噂では淀屋橋で有名な平岡珈琲さんも4月20日から始められたそうです。ちょっとの差で、私のとこがファーストペンギンです。」

とまたコロコロ。


八十うん歳にしてこの挑戦。

まったくあっぱれなお母さんである。







変わるという事は痛みを伴う。新しいことを始めるのには勇気が要る。痛みを乗り越える気力が要る。

これまで様々な「新しいこと」に挑戦し生み出してきた私にとっても、今回の挑戦は過去にない試練が続く。過去にも痛みはつきものだったが、今回はまるで新しい船出を邪魔したいかのような出来事が散発する。

私個人への試練ならもう慣れている。しかし今回は私の協力者達へ矛先が向いているような気がする。



私は周りを見守り、時に言う。はじめから何事もできる保証はない。いや出来ないから、挑戦するのだ。挑戦して乗り越えてちょっとだけ強くなった自分に自信を持つ。その繰り返しでのみ人間は成長していくことができる。

「困難は逃げると苦難になる。向き合うと試練になる。試練は乗り越えることが出来るが、苦難はいつまでも追いかけてくる。」

これは私が自分で学び取った人生哲学である。

乗り越えていく中で力を付け、我々は一歩一歩仲間になっていく。はじめから仲間ではない。苦楽を分かち合いながら本当の仲間になっていく。




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法人の印鑑が出来上がってきた。

仲間になれるかどうか。


逃げたら終わりだ。















三宅弘晃


080.gif今日の丹練
・重刀100丹
・四股400丹


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by wagoichi | 2017-05-19 17:59 | 協会