照千一隅への道のり

雪中休話 「どうしてこの酒がうまいのか」


送られてきた一枚の写真を見た時、「お?」っと思った。なんか俺、楽しそうや。なんでこんなに楽しそうに酒を呑んでいるんやろ。


気になって、ちょっと考えてみることにした。






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お相手は、御年二回り以上にもなる人生の大先輩、Sさん。

Sさんは我々わごいちの心と胃袋のサポーターとも言うべき人で、いつも贔屓にしてもらい、家族スタッフ総ぐるみでお世話になっている方。

昨年に両親からのご縁で知り合い、すぐに私はSさんを好きになった。Sさんも我々一同を気に入って下さり、以後過分なご厚意をいただいている。誠にありがたいお方である。



Sさんの経歴にも少し触れておく。

長らく会社勤めをされていたが、後に都市銀行の頭取になった偉い人に見込まれ、背中を押されて独立開業されたのが、かのバブル崩壊の1年後。時期も時期だけに散々苦労もされたが、持ち前の馬力と人懐っこさで不景気の中をしぶとく生き抜かれ、リタイアされた今は第2の人生を謳歌されている。


そんなSさんと、この時は何を話したかな。

確か・・・ふんだんに下ネタが混じっていたことは間違いがない。なんせ一升瓶がほとんど空いた呑み方だったので記憶が怪しいが、困ったことに下ネタだけは覚えている。内容は伏せておく。




ひとつ確かに覚えている瞬間がある。

たまたま話題が電通のことになって、電通をとりまく世間の風潮について、「電通ってそういうところですからね」と私がボソッと答えると、「そう、そういうこと!」とSさんが手を叩いた。ほんの短いやり取りだったが、2人で息が合った瞬間があった。

「電通はそういうところ」なのですよ。


私個人的には、電通のような会社はあまりイメージが宜しくない。

昔、電通じゃないけど電通によく似たタイプの会社と付き合いがあった時、あまりに態度が???だったので心底腹が立ったことがある。腹が立ってこれはいっぺん話をつけなあかんと思って屋上に呼び出したことがある。(昭和の人間にとって屋上と体育館の裏は特別な場所である)

なぜ屋上かと言えば、もし話がこじれて取っ組み合いの喧嘩になった時、神聖なる施術空間で暴れるのが嫌だったからなわけだけど、そのくらい腹を立てたことがあったもんだから、そういう類の会社のイメージは悪い。



がしかし、だからと言ってそういう会社を否定するつもりは全くないのも事実なのだ。

そういう派手好きで銀座を闊歩する会社があるから(もちろんそれだけじゃないのは言うまでもないが)、その為にモーレツに働くような会社もあるから、日本経済も元気になっているという側面もある。またそういうモーレツな会社が性に合って、そういう働き方じゃないと物足りないタイプの人間も沢山いる。

人間にもいろいろなタイプがある以上、会社も色々なタイプがないと困るのが道理。


でも幼稚な大人はそれがわからない。そういう目立つ会社の一側面をとらえて「あの会社は狂っている」と糾弾して、糾弾するだけでは飽き足らず、法律で一様にしばりつけて、行政に指導させようとする。

そういう風潮を見ていると、もしかして共産主義になりたいのか?と疑わざるをえない。



Sさんは多分、電通のような会社も真っ青なくらいにバリバリと働いてきた人だから、命を削るように働くことで初めて達成できる自己成長や、会社業績について豊富な体験を持っているんだと思う。だから電通のような会社を国が型にはめておとなしくさせようという動きが気にくわない。

私も気にくわない。

だからこまごまとこんなことを話さなくても、「電通はそういうところ」の一言で話が通じる。




もちろん働く仲間は守らなくちゃならない。家族や友人を守らなくちゃならない。でも守る手段は考えなくちゃいけない。法律や行政指導は最後の手段であって、その前に仲間同士で守り合う意識を、そして行動を高めていかなくちゃいけない。

「君にはその会社は合ってないと思うよ。」

と大学の進路指導担当や親や先輩が、一緒になって考える。

「最近様子がおかしいけど、仕事きついんじゃない?」

と上司や同僚、同期の仲間や同窓会でであった友達が注意を払う。

「ちょっとそれはおかしくない?もうちょっと詳しく聞かせて。一緒に今後のこと考えよう。」

切羽詰まった時には、誰彼とないおせっかいな介入もまた必要じゃないだろうか。




一人一人は弱いんだから、皆が皆で守り合う。国に頼ってばかりいないで、政治を責めてばかりいないで、自分たちでまず自分たちを守る、自分たちで自分たちを生かす、そういう意識と行動がどれだけ今の日本にあるか。

それができないからと言って、多様性を無視して法律にすべてを丸投げしても問題は解決しないし、なにより息苦しくてしかたがない。仕事上がりの酒もまずくなる。




電通は電通なりに、改めるところは改めて、電通で働く人たちが知恵を出し合ってよりよい電通を作っていったらいい。そういう会社に合う人が働けばいい。

「いやいや、僕は給料低くてもいいから、モーレツに働かなくていい会社にします」っていうのなら電通じゃないホワイトな会社に行けばいい。

大事なのは皆等しく法律に守られている働き方じゃなくて、自分が働きたいあり方を考えて会社を選ぶことで、もし会社におかしいところがあると思えば上司や同僚とざっくばらんに意見交換して善後策を考えることで、もしそれでもどうにもならないと思ったらスパッと退職届を出してまた違う会社でやり直すことじゃないかな。

はっきりと意見も言わず会社にしがみつきながらグジグジとしている大人が多くて、困っている人に無関心を決め込む大人が多くて、自分たちで動かないで法律と行政指導でなんとかしてもらおうという人頼みな大人達が問題なのであって、そろそろそういう風潮を打破していかんと、悲劇は無くならない。

そういう日本の会社体質を見限って整体院をはじめたおやじの率直な気持ちである。



若者たちよ。


電通はそういう会社なんですよ。色々な会社があっていいんです。

よくよく考えて仕事を選んで、納得できないことがあれば酒飲みながらとことん話し合えばいいんですよ。そうすれば大抵の問題は実は解決可能なんです。



仕事なんて理不尽なことだらけなんだから、だからこそ人と人がね、何度も何度もめげないで話し合うことで互いに成長していくわけです。それが仕事をする上での本当の醍醐味なんじゃないかな。


Sさんも私もそうやって仕事してきているわけです。だから酒が一際うまいのですね。



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三宅弘晃

080.gif今日の丹練
・四股300丹
・木刀100丹
・無呼吸木刀100丹


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by wagoichi | 2017-01-14 16:52 | 職人
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「原点が導くこれから」という感じでしばらく探り書きです。

by 三宅弘晃
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