照千一隅への道のり

日本人の拠り所


あなたは「拠り所」をもっているだろうか。

「拠り所と言う場」は少し特別な意味を持つのかもしれない。「たまり場」とは違う。拠り所には共通の感情や感覚があるがたまり場にはそれがない。「寄り合い」ともまた違う。拠り所には、皆が心を寄せる中心があるが、「寄り合い」には中心がない。寄って集まっているだけである。

今の日本社会を見渡してみるに、「たまり場」や「寄り合い」は無数にあるが、近しい感情や感覚を持つ人たちが中心をもって集まる「拠り所」というべき場所が非常に少ないことに気付く。(だからこそその反動として新興宗教が力を持つのかもしれない。)



私はいつの頃からか、「拠り所」という言葉に思い至り考えるようになったのだが、そのきっかけは天皇制である。学校で教えられる「天皇は象徴である」というフレーズ、何度聞いてもしっくりと来ないでいたのが、ほんの数年前に「拠り所」という言葉に行き当たった時、スッと腑に落ちた感覚があった。

考えてみれば「象徴」というのはとても不可解な定義である。捉えどころがなく、どのように受け取り、どのように向き合ったらいいのかとても分かりにくい。すごく大事なようで、すごく遠い。ともすれば実在さえしないような気さえする、そのような感覚を持たされそうになる。


しかし今の天皇陛下は決して遠い存在で終わろうとされていないように感じる。地震や津波で大きな被害を受けた地域に足をお運びになり、一人一人目を合わせて声をお掛けになる。それを望まぬ人もいるだろうが、目に涙を浮かべて感動する人は多い。「ありがたい。またがんばるぞ。」と力を得られた人は日本中に無数にいるのではないだろうか。

はたしてこの役割を総理大臣に肩代わりできるだろうか。総理大臣は政策面で復興の後押ししつつ時に被災地にも足を運ぶが、天皇 皇后陛下の前で目を潤ませている人たちの顔を見るに、そこに総理大臣とは違うなにか特別の感情があることは明らかであろう。


今日本の天皇制は大きな岐路に立っている。象徴と言う分かりにくい存在から、憲法改正を経て「元首」といういかめしい存在に変えることも模索されているという。それには天皇陛下ご自身はあまり賛同されていないとも漏れ聞く。

一方で生前退位の検討もされている。天皇陛下のご意向をどうとらえるかは難しいが、私はまず象徴とは何ぞやということからもう一度考えてもいいと思う。天皇陛下御自身のこれまでのお言葉と行動を考えてみるに、天皇陛下の考える象徴とは「日本人の拠り所」たらんとお考えになっていると感じてならない。元首として御簾の奥に鎮座されるよりも、苦しんでいる国民ひとりひとりのもとに足を運び、顔をみて勇気づけ、心の拠り所になることを志しておられるように映る。

もしそうであるならば、高齢のために国民の身近へ足を運ぶのがままならないというのは、天皇陛下にとってなにより不本意であろうことは想像の及ぶ範囲である。摂政に代役が務まるはずもないのもまた明白である。

生前退位は、決して政治や法律の論理だけでなく、これまで日本人が歴史を通して培ってきた精神性、今のそしてこれからの天皇と国民の関係性、そういうところからも丁寧に議論されることを願ってやまない。














三宅弘晃

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by wagoichi | 2016-12-20 12:18 | 世界
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「原点が導くこれから」という感じでしばらく探り書きです。

by 三宅弘晃
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