二度とない仕事


「毎回違う施術をされますね」

と、お腹を揉まれながら話されたのは、子宮筋腫の悩みで最近通い始めた小学校の先生。

「そうですね。毎回おなかは違うし、この瞬間も刻々と変わっていっているし。それに合わせないと。」と応えると、「なまもの相手ですものね。」と納得された。


その先生は面白いことを話された。学校で子供をきつく叱らなくてはならないときは、手を握って叱るんだと。そうすると子供の納得の仕方が全然違うんだと。10年教師をやってきて、ようやくそういうことが分かってきたと。良い話だなと思った。

さらにこんなことも教えてくださった。

小学生でも低学年の子はべたべたと触って甘えてくるが、高学年になると男の子はベタベタできない。それでもベタベタしたい子は、「先生肩こってるやろ」とか言いながら肩を揉んでくれるそうだ。甘えたいのだが、男女の分別はついている。そういう中での肩もみだという。

「OLに触りたいおっさん部長と同じ構図ですね」

あまりにいい話過ぎたので茶化してそう言うと「せっかくのいい話なのに!」と叱られた(笑)。




先生も広い意味では職人である。子供をすばらしい未来に導く職人である。整体師ももちろん職人である。心身をすばらしい未来に導く職人である。

職人仕事はいろいろありどれも素晴らしいものであるが、人相手の、人と言うなまもの相手の職人仕事はまた格別なものである。

自分がしっかり仕事をして成長すれば、その成果は相手の人間に照射される。その光を受けた相手の変化がまた自分に気づきを与え、その気づきがさらなる成長の糧となってくれる。

職人仕事の醍醐味である。



職人仕事にマニュアルは要らない。成功体験は次への糧としながらも更新していかなくてはいけない。成果の中に立ち止まっていてはいけない。その反面、失敗は置きざりにしてはならない。必ず検証して克服していかなくちゃならない。

と書くと大変厳しい雰囲気がするが、厳しいからこそ、乗り越えた喜びはその職人のものとなる。



二度と繰り返しのない仕事の中で「生きている」実感を味わう。

それが職人を続ける一番の喜びじゃあなかろうか。










弘晃

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066.gif今日の丹錬
・重刀200回
・力士四股100回


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by wagoichi | 2016-11-28 15:16 | 職人